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2006年6月17日 (土)

流れよわが涙、と警官は言った

あらすじ Nagareyo_1
 主人公は地球で3千万人の視聴者ファンを持つテレビのエンター
ティナー、タヴァナー。彼はプライベートの休暇直前にかつて支援した
女性歌手に呼び出され、彼女宅で口論の末、彼女に殺されそうになる。
 命は取り留めたものの次第に意識を失うタヴァナー。次に目が覚めた
とき、彼は見知らぬモーテルにいた。そして気がつくと全ての身分証を
紛失していた。それだけではなく、世界の誰もがタヴァナーのことを
知らなかった。
 この世界でタヴァナーは生まれてもおらず、存在してもいなかった。
タヴァナーは警察に追われながら悪夢の出口を探す。

 ディックの作品ではよく、ある日突然、悪夢的世界に放り込まれた主人公が登場します。主人公は中年で敗北を感じながらも、その状況・脱出の道を模索する、というストーリーですが、この作品もそのジャンルです。

 作品の中の世界自体が悪夢的なもので、市民は身分証のIDカードを持っていなければならず、そうでないものは警察に連行されて終身の強制労働所に送られます。そして市民の中には警察の密告者が潜んでいてIDカード無所得者を泳がせ、仲間もろとも検挙していきます。
 存在と命をつなぐためのIDカードをなくした主人公は、時に他人に自分の運命を託しながら、警察と対決します。警察は常にタヴァナーを監視し続けます。そして意外な人物と出会いストーリィが急変していきます。
 この世界観、暗い気分になりながらも惹かれてしまいます。

 ディックの主人公って中年が多いですね。多分40代からそれ以降の。学生の頃はあまり気にしませんでしたが、30を超えると段々身に染みてきました。
これはオヤジたちのためのSFです。
 なぜこの世界に来てしまったのか、は後半に語られます(マジすか、というオチですがいかにもディックです)。SFか、といわれると同意はあまり出来ませんが、ディックワールドか、といわれると、

どうみてもディックです。

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