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2006年8月11日 (金)

アイヴォリー ある象牙の物語

巻頭に1898年のザンジバルで撮られた3メートル以上の長さの2本の
象牙を二人の男が持っている写真があります。
この象牙が物語の中心です。
歴史遺物や、宝石といったものが人の手を次々に渡っていくというプロットは
歴史ものでもありますが、この話は6000年の未来が舞台であり、
地球から外宇宙へそしてまた地球へと渡っていく二本の象牙の遍歴を
ある調査員が追っていくというストーリーです。
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あらすじ
銀河暦6303年、博物館調査員、ダンカン・ロハスの元にマサイ族の最後の
末裔という男が現れる。彼は3000年前にマサイ族の手から離れたキリマンジャロ
エレファントの象牙の行方をロハスに依頼する。
ロハスは男の正体も分からないまま、興味を引いたこの調査を開始する。
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というわけで、追跡といっても実際には博物館の調査用コンピュータが
追跡調査して、主人公はデスクで検索ワードを与えるだけです。
この主人公も面白く、いい年なのに家族も持たずに、興味を持った仕事には
のめり込んで社交性は極めて低いという、なかなか好感が持てるタイプです。
調査を依頼するブゴダ・マンダカというマサイ族の男も、信念が強いというか、
融通が利かないというか。
象牙がどうやって地球外に出て行ったのか、人類から非人類へと渡り、そして何処に消えたのか。
クライマックスはなかなか静かです。
こういう結末は好きです、かなり。
キリンヤガを読んだときも思いましたが、レズニックはラストがいいですね。

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